ウォータージェット工法とは、極めて高い圧力をかけた水を噴出することによって、水圧で対象物を破壊・粉砕・切断などを行っていく工法のことです。加圧された水を、音速の3倍というとてつもない速さで噴出して対象物に当てることで、衝突によって亀裂が発生。そこに水流を当て続けることで亀裂を広げ、粉砕していくというものになります。
通常の金属を使用した加工などと違うさまざまなメリットがあり、素材によっては非常に重宝する工法として、さまざまな現場で導入をされています。
ウォータージェット工法で対応できる素材としては、コンクリートやチタン・ニッケル・銅・アルミ・真鍮といった金属、アクリルや塩化ビニール、ポリカなどの素材、スポンジやゲルなど、多岐にわたります。
ただ、水を使うので紙など水に溶ける素材には使用できず、木材など水と接触することで性質が変わる素材には使用しにくくなっています。また、石材は象牙などであれば対応可能ですが、通常のものだと加工が難しいものもあります。
ウォータージェット工法では、さまざまな素材の加工に対応できます。金属製の刃を使うようなことはないので、そのような加工が難しい素材も扱えるのが強みでしょう。
ウォータージェット工法は幅広い素材に対応できるほか、ガスを使うような工法に比べて環境や作業者にも優しいなどのメリットがある一方で、水を使用した工法であるため、水で変質してしまう素材に対しては使用ができないという点がデメリットとして挙げられます。
また、加工の精度は金属製の刃を使った工法と比べると少し劣るので、超精密な加工が求められる作業には不向きとも言えます。
ウォータージェット工法には、特有の危険性があります。超高圧の水は人体を破壊するにも十分な威力となっているので、人体に当たるようなことがないよう、くれぐれも気を付けなければいけません。
また、機材のメンテナンスを怠ることで事故も起こりやすくなりますし、作業中は視界が悪くなるのもウォータージェット工法の特徴の一つです。このような危険性をしっかりと把握した上で、スタッフにも危険性を周知徹底し、安全に運用していけるようにしなければいけません。
ウォータージェット工法は、水を使った環境に優しい工法として知られていますが、特殊な工程が数多く存在しており、役割も人によって変わってきます。危険度の高い工法でもあるので、どのような手順を踏んで作業を進めていくのか、作業の開始から終了までを含めて、しっかりと確認をするようにしてください。
ウォータージェット工法で使用した水は、作業対象物の成分などが混じって汚れてしまうため、法律などによってそのままでは排水できないことになっています。どのような手順を踏んで排水処理を行うのか、その際にはどんな機材が必要なのかなどを、前もって確認しておくようにしましょう。
ウォータージェット工法を行う上では、さまざまな特殊機材を使用していく必要があります。どんなものがあるのか、それぞれの特性がどうなのか、といった点をしっかりと把握しておきましょう。専門業者であれば、これらの準備をしっかりと整えているので、外注するのも一つの手です。
※2021年11月調査時点で公式サイトに掲載している施工事例件数・年数を調査しました。
※久野製作所:掲載している業者のうち、はつり・剥離(塗膜除去)・削孔といった土木・建築分野の施工事例掲載数が最も多い会社として選出。
※米山製作所:掲載している業者のうち、ウォータージェット工法専門の切断加工受諾会社で施工事例の多い会社として選出。
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